2016/12/20

西洋美術史 Ⅱ




前回の西洋美術史につづきまして、商品のラインナップはございませんが、

20世紀以降の西洋美術史をまとめました。



1. フォーヴィスム

2. キュビスム

3. ドイツ表現主義

4. 抽象美術

5. ダダ

6. シュルレアリスム

7. 抽象表現主義

8. ポップアート

9. コンセプチュアルアート

10. ミニマルアート

※1970年代~現在



1. フォーヴィスム

ポスト印象派のゴーギャンやゴッホらは既に色彩を用いて内面を表現していたが、

それは求める色彩をした対象物をそこに描き込むことで表現した。

フォーヴィスムの画家たちはたとえ現実の色彩とは違っていても、

色彩を現実を再現するためでなく、感情を表現するものとしてそのまま使用した。

その大胆な色使いの作風が野獣のようであるということからフォーヴィスムと呼ばれた。


マティス



2. キュビスム

ルネサンス以降、一つの視点から遠近法や明暗法などを用いて三次元の対象を二次元の平面に立体的に表現してきたが、

キュビスムはポスト印象派のセザンヌの影響を強く受け、対象をまず複数の視点で捉えて、

次に幾何学的な形態(球、円錐、円筒)に分解し、そしてそれらを一つの平面に立体的に再構成するというプロセスで描くことで、

従来よりもより正確に対象を表現しようとした。

立方体を積み重ねたようなフォルムからキュビスムと呼ばれ、その作品は感情や感覚的なものではなく、

頭を使って分析的に表現されている。


ピカソ

ブラック



3. ドイツ表現主義

ポスト印象派のゴーギャンやゴッホ、さらにはフォーヴィスム等で見られた感情表現はドイツ表現主義へと続く。

表現主義とは感情を表現する芸術のことである。

このドイツ表現主義は後の抽象美術や抽象表現主義に影響を与える。





4. 抽象美術

ドイツ表現主義の一派「青騎士」の中核を担ったカンディンスキーは、

ある日、横倒しになった自分の絵を見て、何を描いたかということよりも色彩の斑点の美しさが目に入り、

絵画は何か対象を描く必要はないと確信し、対象を描かずに感情を表現した。

一方、ピート・モンドリアンは感情を一切排除し、キュビスムの構成原理をさらに徹底、単純化させて推し進め、

構図においては水平と垂直、色彩においては赤青黄の三原色と白黒の基本的な要素だけで表現した。


カンディンスキー

ピート・モンドリアン

クレー

カジミール・マレーヴィチ



5. ダダ

第一次世界大戦の最中、チューリヒから始まった芸術運動。

機械文明・科学技術の発達は史上初の世界戦争をもたらし、その中で人間性を取り戻すために、

それまで正しいとされてきた既成概念を芸術を含め否定した。

マルセル・デュシャンは既製品にサインをすることでそれを芸術作品に変え、

「個性や才能に支えられた芸術」という既成概念を破壊した。


マルセル・デュシャン



6. シュルレアリスム

ダダの破壊精神を引き継ぎ、既成概念を否定した。

詩人ブルトンは常識や慣習で囲い込まれた人間の解放を謳う「シュルレアリスム宣言」を発表し、

夢や無意識の世界に新しい芸術の価値の可能性を感じていた。

画家たちはそのシュルレアリスムならではの手法で作品を制作したが、大きく二つの特徴がある。

その一つは、あらかじめ描く内容を想定せず無意識任せで描いていくオートマティスムで無意識の世界を表現しようとした。

これはエルンストやミロが代表的で、後の抽象表現主義に影響を与えた。

もう一つは、互いに関係のない要素を偶然出会わせること、また日常見慣れたものを思いがけない視点で捉えることで、

夢や無意識下でしか起こりえない世界を現実以上にリアルに描いた。

こちらはダリやマグリットに代表され、後のポップアートや広告美術に影響を与えた。


エルンスト

ジョアン・ミロ

サルバドール・ダリ

マグリット



7. 抽象表現主義

シュルレアリスムや抽象美術、ドイツ表現主義の激しい感情表現の影響を受けてニューヨークを中心に隆盛した。

第二次世界大戦の戦火を避けてヨーロッパの前衛芸術家たちがアメリカに多数亡命してきていた為で、

これを機に美術の中心がパリからニューヨークへ移っていった。


ジャクソン・ポロック

マーク・ロスコ

バーネット・ニューマン



8. ポップアート

ポップアートは画家の情念や感情が渦巻く抽象表現主義に対する反抗と、

また第二次世界大戦後のアメリカの大衆消費社会という時代背景から、

日常生活において誰もが知っている大衆文化に主題を求めて表現した。


ロイ・リキテンスタイン

アンディ・ウォーホル



9. コンセプチュアルアート

コンセプチュアルアートはポップアートの一見能天気な傾向を批判し、

作品とはアーティストの思考と言語と現実認識の関係から生まれてくるものであると主張し、

制作されたモノ自体ではなく、その概念・考え方を作品とした。


ジョゼフ・コスース



10. ミニマルアート

ミニマルアートはポップアート、コンセプチュアルアートと同時代に、

先行する抽象表現主義を一部批判しつつ継承し、

作品の構成要素をギリギリまで突き詰め、最低限の条件で作品を成立させた。


フランク・ステラ



※1970年代~現在

さらに多様な主義主張や表現形式が生まれ、また混在し現在に至っているが、

いずれにせよ描写的表現にとどまらず、概念の部分に対する表現が平面作品、立体作品ともにより注視されるようになった。